floating view by floating view


floating view by floating view
(floating view 宣言)


郊外はずっと批判され続けてきた。
均質で個性のないのっぺらぼうの街だと。
醜悪な景観だと。犯罪の温床だと。
やがてそれらを言うことにも飽きて、今度は無視された。
郊外には何もない。都市が良い。田舎が良い。

しかしそこもまた、私たちの故郷ではなかったか?
現代を生きる人びとの大半が、幸せも不幸も感じながら、
日々、無数の記憶の幽霊を刻み付けながら、
今もそこで生まれ育ち暮らしているではないか。
「何もない」なんて、もう言わせない。

あなたにだけ見せてあげよう。
私たちの目<floating view>に映る、
郊外の風景<floating view>を。

そこには、情報環境と現実空間のかさなり合いがある。
自然物と人工物のダイナミックなせめぎ合いがある。
身も蓋もなくロマンティックで劇的な私たちの生活がある。

郊外都市に、風景に、身体をかさね合わせて、
何もないはずの場所から新しい生の表現を生み出そう。

それが郊外からうまれるアートだ。